本気で、考えはじめてみませんか。「死」のことを。

もしもカレンダー


「もしもカレンダー」が出来るまで

2014年11月、株式会社トゥーンライン・コーポレーションの秋山慎治社長から連絡がありました。

秋山社長とは、代表の金子稚子が自著である「死後のプロデュース」(PHP新書)で彼の会社のプロダクトである<謎の終活>を取り上げてからのご縁。ライフ・ターミナル・ネットワークで行っている「Death Design Trial〜死のワークショップ〜」へ参加をお願いしたこともあります。
「自分自身の死という問題と、他人の死に対してどうとらえるかという問題の両方にアプローチしていてたいへん勉強になった」
「医療側と患者側の意識の違いなど、今回初めて聞くことができた」
などのご感想もいただき、こちらもたいへん勇気をいただいたことを覚えています。

その秋山社長からの連絡……。
何事かと思い、お会いしてみて伺ったのが、この「もしもカレンダー」の構想でした。

4月にワークショップに参加した後、ご自身のプライベートで、まさにワークショップで指摘されていたことが起こったと言います。

「事前に家族が話し合っていなければダメだと心底思いました」

「そうなんですよ〜〜!」

すでにモックアップができ上がっており、その場で詳細を詰めることになりました。

こうして、11月の頭に構想していたカレンダーが、12月頭にでき上がるという、この時期の印刷環境からは考えられないことが起こりました。

弊社は、金子をはじめ、文字媒体を中心としたメディアで仕事をしていた人間が多く、カレンダーを「話し合いのきっかけにする」という発想にはなかなか至ることができません。
印刷物は印刷物。カレンダーはカレンダーだからです。

しかしここに、秋山社長の柔軟な発想が生かされ、「もしもカレンダー」は誕生しました。


「もしもカレンダー」を、“カレンダー”として使っては、あまり意味がありません。
あくまでも、話し合いにくいことを話し合うための“きっかけづくり”にどうぞご利用ください。


代表の金子のところには、
「70代も半ばの親に、こんなこと話せないよ……」
「死ぬまでの準備をしたいのだけれど、子どもが協力してくれないの……」
こんな声が時折届きます。

しかし、このカレンダーの目的は、話し合いのきっかけづくりです。

「お父さん、こんなカレンダーがあってさ、僕も書いたんだよ。何があるかわからないからね」
「このカレンダーの最後のページを見ておいてちょうだい。何かあった時に、あなたたち子どもを苦しめたくないから」

こんなひと言を、まずは家族にかけてみてはいかがでしょう?


このカレンダーは、すべてが実体験からできています。

「こういうものがあったらよかった」
「こういうことを聞いておけばよかった」
「この言葉を聞けていてよかった」

こんな体験が詰まっています。

必ず「その時」、力になれることを、心から願っています。


 

(株)LTN 代表取締役 金子稚子